風になる
千花
千花は涼也の妹だ。

小さい頃からしっかり者で、俺も涼也も千花には逆らえなかった。
おままごとも千花の仕切り。
可愛い千花はみんなのアイドルだった。

文武両道で、趣味が料理とか女子力まで高いときている。
なのに、それを全く鼻にかけてなくて、おもろいことが大好きな千花。

涼也からたまきを紹介されて、最初は全く面白くなかったそうだ。
だって千花のにいにやのに・・・
と、本人談。

涼也ときたら「たまきたまき」と入院してからも言いまくり。
ある時千花を呼んでわざわざ言ったらしい。
「ええか、千花。ネットの世界のヤツは信用すんな。たまきの事は信用してもええからな」

千花は昔からにいにのことが大好きやから、たまきには嫉妬して腹を立てていたらしい。
そやから、たまきからのメールを涼也に見せるための書き写しも複雑だったろう。

けれど、涼也の移植が決まってから千花は思い切ってたまきに電話をかけている。
自分の嫉妬心含めて、いろんな話をたまきに聴いて貰い、千花は安心したようだ。
たまきの人柄が電話で直に伝わってきたから。

< 37 / 39 >

この作品をシェア

pagetop