風になる
その後も何度か電話をかける千花。たとえそれが真夜中でも、たまきは何時間でも話を聴いてくれたそうだ。

涼也が旅立った夜、千花はたまきに電話で報告した。
「たまきさん、ごめんなさい。にいに死んでしまいました。千花、嘘ついてました。
 にいに回復してるって・・・。にいにに言われて嘘言うてました。ごめんなさい」
「双子の片方死んだのに、千花だけ生きてるのおかしいやろ?千花も一緒に行くし。今やったら追いつけるやろ?」

千花は後追い自傷をやらかした。
たまきは朝まで電話をかけつづけたけれど、千花がでることはなく、生きてると判るまでに3日かかった。

俺も放心状態で千花がそんな状態やったのに、気づいてやれなかった。

< 38 / 39 >

この作品をシェア

pagetop