風になる
涼也
小学生から俺と涼也は野球を始めた。
高校も勿論野球をやったけど、成績が良くて素行の悪かった俺たちは、全寮制の高校に入れさせられた。

おやじもオカンもヤンキーだったからか、長老にも反抗的で、可愛いと言われるのが堪らなく嫌だから、目つきもわざと悪くしていた俺。
長男の子供で跡継ぎだからか、長老からはいろいろ教えてもらっていた涼也は同じ悪いのでも俺よりはましだった。

けれど、二人とも中学のときから「極妻」の映画なんかを観て、万田○子がええなあなどと、女子の好みは年上で同じだった。二人で警察に補導されたときは警官のお姉さんに恋したりしたものだ。
だから卒業式に制服のボタンを根こそぎ持っていかれても、ただただ二人で逃げて帰るしかなかったわけですよ。

ついでに言えば、妹を使って言い寄ってくる女子には嫉妬に狂う千花が勝手に断るなどの援護もあったと特筆しておく。

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