風になる
それから間もなく・・・

涼也にある出会いが訪れる。

俺にとっても、千花にとっても、運命と呼べる出会いだと今も思っている。




涼也はあるSNSでゲームをして遊んでいた。
そのゲームの中でバトルをして、相手のカードを奪うというミッションをした涼也。
終わってから相手に「バトル失礼しました。」とコメント。
すると相手から「いえいえ。ご丁寧にすいません。いつでもどうぞ」と返ってきた。

今までそんな返しを貰ったことのなかった涼也は「そんなふうに言って貰えて嬉しいです」
すると「え?そんなの普通でしょ?」と・・・。


なにげない会話だったが、プロフを見に行くと46歳の主婦だった。
興味の沸いた涼也は伝言板に挨拶に行った。
相手は必ず返事を返してくれる。しかも、めちゃめちゃおもしろい。

やがて、淳也の最初の命日がやってきた。
その日、その時間、涼也は日記に日付と時間を記して「黙祷」とだけ書いた。
すると、その主婦が書き込みをしてきた。
「詳しい事は解りませんが、一緒に黙祷させてください。」

涼也は彼女に自分のことを次々と打ち明けた。
写真を公開し、本名を明かし、淳也のことを話した。彼女は自分も写真を公開してくれ、本名を教えてくれて、素直に淳也の話に相槌を打ってくれた。



彼女の名前は、たまき。
自分の母親より2つ上の人だった。
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