*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
青羽山の盗賊たちの暮らしは、白縫山の村人たちの暮らしとは、ずいぶん異なっている。
群雲の主導で、狩猟採集や農業までも取り入れた、地に足ついた生活をしている白縫党に比べると、青羽山の人々はかなり原始的な印象だ。
いくつかの大きな洞窟に雑魚寝をし、貴族の邸や旅人から盗んできた衣服に身を包み、盗んできた食糧を喰らう。
盗みに行くとき以外は、盗んできた酒を呑んで、盗んできた女たちを侍らせて、だらだら寝転がっている。
いかにも盗賊らしい暮らしに、汀と藤波は感嘆した。
「これぞ盗賊、って感じねぇ」
「ほんと………白縫山に捨てられて、俺は幸運だったよ」
前を行く息吹に聞こえないように、二人はしみじみと語り合った。
群雲の主導で、狩猟採集や農業までも取り入れた、地に足ついた生活をしている白縫党に比べると、青羽山の人々はかなり原始的な印象だ。
いくつかの大きな洞窟に雑魚寝をし、貴族の邸や旅人から盗んできた衣服に身を包み、盗んできた食糧を喰らう。
盗みに行くとき以外は、盗んできた酒を呑んで、盗んできた女たちを侍らせて、だらだら寝転がっている。
いかにも盗賊らしい暮らしに、汀と藤波は感嘆した。
「これぞ盗賊、って感じねぇ」
「ほんと………白縫山に捨てられて、俺は幸運だったよ」
前を行く息吹に聞こえないように、二人はしみじみと語り合った。