*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
配下である天城にひどい言われ方をしているのだが、現在陶酔中である息吹は、何も気づいていない。






「金の亡者で、ひどい自己愛主義者。



それが、俺たちのお頭なんだ」







「…………んまぁ。変な人!!」







自分のことを棚に上げてそんな感想を述べた汀と、鏡に自分の顔を映してうっとりとしている息吹。





そんな二人を交互に見比べて、藤波は心の中で叫んだ。






(…………なんでこんなに、個性の強烈すぎる奴ばっかり出てくるんだよ!!



俺、もう、いやだーーーっ!!)






藤波の嘆きは、誰にも気づかれることなく、虚空に消えていった。







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