*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫







青羽山の名誉毀損罪で囚われた汀と藤波は、頭領である息吹の一存により、とりあえずは処分保留ということになった。







「…………なんで、俺と汀が、同じ牢に入れられるんだよっ!!」





地下牢に連れてこられた藤波は、そう叫んだ。




当たり前のように同じ牢の中に入れられ、目を白黒させている。





息吹は不愉快そうに眉を顰め、藤波を見下ろす。





「…………この俺様の処遇に、文句があるっていうのかい?


囚人の分際で、ずいぶん偉そうだなぁ。


お前たちは、俺の言うことに黙って従っていればいいんだよ!!」





「〜〜〜〜〜っ」





威圧的な態度で言われ、藤波は唇を噛んだ。




その横で汀は、少し傷ついたような顔をしている。






「まぁ、藤波ちゃん。


私と同室なのが嫌なの?」







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