*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
「やっぱり、柔らかい!!


ここなら、なんとか穴が掘れそうよ!!



ほら、藤波ちゃんも、手伝って!!」






「…………え? 穴?



なんのために…………?」







藤波は促されるままに穴掘りを手伝いながら、不安そうな顔で汀を見つめる。





汀はきらきらと輝くような笑顔を浮かべ、土を掘りながら言った。






「もちろん、ここから出るためよ!!」






その言葉に、藤波は目を瞠った。






(…………え? ここから出るため?



………この人、そんなこと考えて、うろうろしてたのか)






思いがけない汀の行動に、藤波は驚きを隠せない。







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