*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
「…………よし!!
これでいいわね!!」
穴掘りを再開して、半刻ほど。
やっとのことで、格子がぐらつき始めた。
汀が力任せに杭を引くのを手振りで止め、藤波はぐいっとずらすように引く。
一本の太い格子が抜けると、そこには、なんと人ひとりが抜け出せるほどの空間ができた。
「やった! すごいわ、藤波ちゃん!!」
「どうも」
藤波は肩を竦めて答え、照れ隠しをした。
牢を抜け出した二人は、足音を忍ばせて洞窟の外に出る。
うろ覚えの記憶に従って、汀は息吹の住処となっている洞窟へと向かった。
中にちらちらと揺れる灯かりが見えたので、息を潜めて入口で様子を窺う。
中では、息吹と天城が話し合いをしているらしかった。
これでいいわね!!」
穴掘りを再開して、半刻ほど。
やっとのことで、格子がぐらつき始めた。
汀が力任せに杭を引くのを手振りで止め、藤波はぐいっとずらすように引く。
一本の太い格子が抜けると、そこには、なんと人ひとりが抜け出せるほどの空間ができた。
「やった! すごいわ、藤波ちゃん!!」
「どうも」
藤波は肩を竦めて答え、照れ隠しをした。
牢を抜け出した二人は、足音を忍ばせて洞窟の外に出る。
うろ覚えの記憶に従って、汀は息吹の住処となっている洞窟へと向かった。
中にちらちらと揺れる灯かりが見えたので、息を潜めて入口で様子を窺う。
中では、息吹と天城が話し合いをしているらしかった。