*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫







「ーーーーー灯。


黒松が戻ったぞ。


一緒に報告を聞こう」





見上げても天辺がよく見えないほど高い、いつも樹の枝に座っていた灯に、群雲が下から声をかけてきた。





「分かった」





灯は短く答えると、ひょいと飛び降りる。



灯が群雲の横に音もなく着地すると、群雲は黙って歩き出した。






群雲の洞窟に入ると、黒松は立ったまま二人を出迎えた。





「お頭。いちおう聞き込みはしてみたんですが………正直、よく分からない状況なんです」





「………ふむ。まぁ、話してみてくれ」





「はい………」






黒松は小さく頷き、報告を始めた。






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