*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
流れる水音のおかげで、息吹に近づく灯の足音は消された。
にやにやと笑いながら、水を汲む藤波を見下ろしている息吹の背後に、灯は気配を殺して立つ。
瞬間、目にも留まらぬ速さですっと手を伸ばし、息吹の首に背後から腕を回した。
「ーーーーーっ!?」
気配もなく、突然に首を捕らえられ、息吹ははっと息を呑む。
首を絞められないよう、咄嗟に、回された腕と首のあいだに手を差し入れた。
しかし、圧倒的に不利な状況になってしまったのには変わりない。
「…………誰だっ!?」
ぎりぎりと首を締めつけてくる腕に抗いながら、横目で振り返った息吹の視線の先に、無表情で見つめ返してくる灯。
「………あっ、火影童子!?」
息吹は大きく目を見開いた。
にやにやと笑いながら、水を汲む藤波を見下ろしている息吹の背後に、灯は気配を殺して立つ。
瞬間、目にも留まらぬ速さですっと手を伸ばし、息吹の首に背後から腕を回した。
「ーーーーーっ!?」
気配もなく、突然に首を捕らえられ、息吹ははっと息を呑む。
首を絞められないよう、咄嗟に、回された腕と首のあいだに手を差し入れた。
しかし、圧倒的に不利な状況になってしまったのには変わりない。
「…………誰だっ!?」
ぎりぎりと首を締めつけてくる腕に抗いながら、横目で振り返った息吹の視線の先に、無表情で見つめ返してくる灯。
「………あっ、火影童子!?」
息吹は大きく目を見開いた。