*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
「火影童子、覚悟ぉーーー!!」






息吹が容赦なく刀を振りかぶって駆けてきた。




しかし灯は足を葦にとられ、胴体を蔦にとられ、腕を枝にとられ、思うように動くことさえできない。





煌めく刃先が真っ直ぐに頭上から降ってくる。







「…………くっ!」








灯は満身に力を込め、辛うじて身を捩る。




間一髪のところで、刃が灯の身体のわきを切り裂いた。






「…………だから、それどころじゃないと言っているのに!!」







灯は独りごちるように叫ぶ。




息吹が体勢を立て直す一瞬の間を縫って、汀のほうに目を向けた。







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