*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
二人は驚愕の表情のまま、顔を見合わせた。
汀はわなわなと唇まで震わせている。
その口許をゆっくりと両手で覆い、絞り出すように呟く。
「………藤波くん……いえ、藤波ちゃんって、女の子だったのね………」
「……………はぁあ??」
汀の呆然としたような呟きを聞いて、卯花は裏返った声を上げた。
あまりにも訳の分からない発言に、ついていけなかったのである。
しかし汀はそれに気づかず、言葉を続ける。
「そんな……まさか………。
私、てっきり男の子だと思っていて。
藤波くん、なんて呼んじゃって、傷つけたんじゃないかしら?
あぁ、どうしましょう、なんて言えばいいのか………。
とにかく、早く謝らなきゃ!!」
「………えっ!?
ちょ、ちょっと、汀さん!?」
止めようとする卯花の手をすり抜けて、汀はぱたぱたと駆けていってしまった。
汀はわなわなと唇まで震わせている。
その口許をゆっくりと両手で覆い、絞り出すように呟く。
「………藤波くん……いえ、藤波ちゃんって、女の子だったのね………」
「……………はぁあ??」
汀の呆然としたような呟きを聞いて、卯花は裏返った声を上げた。
あまりにも訳の分からない発言に、ついていけなかったのである。
しかし汀はそれに気づかず、言葉を続ける。
「そんな……まさか………。
私、てっきり男の子だと思っていて。
藤波くん、なんて呼んじゃって、傷つけたんじゃないかしら?
あぁ、どうしましょう、なんて言えばいいのか………。
とにかく、早く謝らなきゃ!!」
「………えっ!?
ちょ、ちょっと、汀さん!?」
止めようとする卯花の手をすり抜けて、汀はぱたぱたと駆けていってしまった。