*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
確かめるように撫でたくってから、ぱっと顔を上げた。






「…………あなた、女の子にしては、ずいぶん固いお腹をしてるのね。



まるで蘇芳丸のお腹みたい」







「〜〜〜〜〜俺は女じゃないっ!!」







藤波が叫んだと同時に、汀の頭がしたたかに殴られた。






汀がびっくりして頭を押さえて振り向くと、そこに灯が立っていた。





騒ぎを聞きつけて、檀弓の家までやって来たのである。






「……………お前は」






怒りを多分に含んだ灯の低い声に、涙に濡れた顔で汀は首を傾げる。






「んまぁ、蘇芳丸。



どうしてあなたが殴るの?」






「…………どーやったら、藤波が女に見えるんだ、お前はっ!!」






「あらっ、だって、女の子だけで行く買い物に、藤波ちゃんも行くって聞いたんだもの」






「…………お願いだから、ちゃん、とか言うなっ!」







藤波はぞわぞわとする肩を抱きながら、たまりかねて叫んだ。







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