それでも私は『 』ます。
その頃、そんな親心を知らない王子ダイヤは
____ダイヤside________
ニコニコと笑うのは疲れる
早く自室に戻りたい
「お飲物はいかがですか?」
「あぁ、ありがとう。ん?お前は…」
「執事のイズキです。覚えていただけましたか?」
「あんなに人を早く着替えさせる執事なんだ、忘れないさ。」
まさしく一瞬、あれは人を着替えさせるスピードじゃなかった
「イズキ、年はいくつだ?」
「今年で17になりますから、ダイヤ様の2つ上ですね。」
「!何で俺の年齢を…」
「客人のことを人通り調べて把握しておくのはリライフの使用人なら皆していることです。」
「イズキみたいな若いものでもか?」
「当然です。」
普通じゃない…
仮にそれがこの城での普通だとしてもイズキは普通じゃない
それは間違いない
「それでもお前はただの執事ではないのだろう?」
「いえ、ただの執事です。」
笑顔でかわされる
「ならば、リライフの使用人は皆あの早着替えができるのか?」
「いいえ、皆ではありませんよ。」
「なら、城お抱えのコックに交じって料理を作るのは?」
イズキの服からはわずかにいろんな料理のにおいがする
「!!、臭いは落としたつもりだったんですがね…。」
「俺は5感がいいんだ。」
ニヤリと笑ってやるとため息をついた
「参りましたね…、職に関わらずあれこれやるのは私とイズルくらいです。」
「イズル?リアンのメイドのか?」
「はい。イズルは私の双子の妹です。」
確か、見かけるときは必ずイズキかリアンといたな
「それで、お前たち双子は何者なんだ?」
『私たちはリアン様付きの使用人です。』
誰かの声がハモった