彼と私の恋愛事情
私、嫌われるようなことしたかなぁ?
あ、まぁ確かに女子力は低いかも!…って、笑えないよ。
やばい。
涙腺緩んできた。
泣くな。
……もうだめ。
「うっ……ひっく………あおいぃぃ…」
止まんない。
どーすんのよ、これ。
チャイム鳴っちゃうじゃん…。
「綾乃⁉︎」
顔をあげると、そこには親友の渚が息を切らせて立っていた。
私がなかなか帰らないから、心配して来てくれたのかな。
「渚ぁっ!」
「ちょっと綾乃、どうしたの!?
葵君と何かあったの!?」
渚に抱きつくと、そう言いながら、頭を撫でてくれた。
「ひっく……うっ…あお、葵にっ、わ、別れようって、言われたのっ…」
「そっか… 詳しい話はあとで聞くから、教室行こ?
綾乃、楓先生の授業出たいでしょ?」
楓先生とは、私が尊敬する美術の先生で、すっごい綺麗な先生なんだ。
「ずびっ……うん…」
正直、葵がいる教室には行きにくいけど、楓先生の授業は絶対出たい。
ハンカチで目を抑えながら、渚と私は教室に戻った。