彼と私の恋愛事情
〜渚side〜
今私の前で笑顔を見せているのは、親友の 佐倉 綾乃 だ。
綾乃は美人…というよりは可愛いかんじの顔で、髪はロングで腰まである。
天然で、やや妄想ぐせがある。
しかし、天然で可愛いとなると、男子にはモテモテだ。
男子には、だ。
女子には…よく恨まれる。
もちろんこの子は悪くなくて、相手の男子が勝手に惚れただけ。
なのに恨まれる綾乃が可哀想だと思わないのだろうか?
みんな綾乃の表面だけを見て、中身を見ようとはしない。
困ったものだ。
あ、ちなみに私は 有野 渚。
気が強いと、自分でも思う。
例えば言葉使い。
綾乃は自分では女子力低いとか言ってるけど、実際は女子力のかたまりである。
……と、私の話はここまでにして。
私は今日の放課後、葵君に話をつけようと思う。
絶対、何があっても綾乃と別れさせたりなんかしない、と。
綾乃が悲しむようなことは失くしたい。
だってあの子は、_________だもの。
だってあの子は、もう充分苦しんだんだもの。