レンタル彼氏を使ってみました(仮)
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「じゃあ、お前は依頼人の愛花じゃなくて……」
「篠原ひより……です……」
彼は腹を抱えて笑い出した。
むしろ、笑いすぎってほどに。
「マジでウケるわ~まぁ、キャンセル出来ないからしょうがないけど、友達んちに送り込むとかソイツもやるなっ!!」
ちらりと私に視線を動かした。
「で、どうする?代わりに受ける?」
グッと彼の整った顔が近づく。
「何がお好み?俺様、ドS、ツンデレ、ヤンデレ、ヘタレ、クール系、可愛い系……なんでもできるけど」
前のめりになる彼と対象に、上体を後ずさりしていった。
コツンと床に後頭部がつく。
唇がくっつきそうなほど顔が近い。
「受っけない。帰って!」
「今更、帰れねぇよ」
「じゃあ、どっかで時間つぶしてよ」
「そんな金ない」
ああ言えばこういう、こう言えばああいう。
なんて強情なヤツ