レンタル彼氏を使ってみました(仮)
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「本当にすいませんでした」
「お前、ミスしすぎ。俺に謝んじゃなくて、早く部長のとこ行って謝ってこい」
「はい……」
私は大学を卒業し、無事、新社会人となった。
毎日毎日、仕事に追われる日々。
コンコンとドアを2回ノックをする。
「篠原です。ただいま、よろしいでしょうか?」
「あぁ」
緊張でドアノブを触る手が震える。
「部長。企画の資料作成の件ですが、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。早急に作り直しますので……」
90度以上、腰を折ってるのではないかというぐらい、深々とお辞儀をした。
どんな怒号が飛ぶかと待ち構えていたのに、聞こえてきた言葉は呆気ないものだった。