終わりを見てからはじまる物語。【仮】


「優羽、ほら
荷物持ってやるからよこせ」


「へ?」


「いーから、
お前のおばさんに優羽のこと
頼まれてんだよ」


お母さん……?

「んーー、じゃ
荷物は奏多に
お願いしよっかな!」


仕事抜けられないって
言ってたけど
お母さんも心配してくれてんだね……


頭をわしゃわしゃっとされて

「ったく、
急にいなくなんなよ?」


なんて言われたら


「…なに泣いてんだよ」


「……ありがと…奏多…」

「おいー!そこ
いちゃいちゃしてんなよー」

「ばっ、してねぇよ!」



病気のこと知らないはずの奏多の言葉に
心があったかく、苦しくなった。


ごめんね……


あたしは


急に



いなくなっちゃうんだよ……
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