終わりを見てからはじまる物語。【仮】
外では、
朝早くにお父さんが
雪かきをしたところにも
うっすらと雪が積もっている。
あたしは玄関の前の雪を
手のひらで握って
雪玉サイズの小さな雪だるまを
つくってドアの前に置いた。
「ふふ…かわいい…」
気温があがれば
溶けてなくなってしまう
儚い命の雪だるま。
あたしより
短い命の雪だるま。
そんな雪だるまを
もうひとつつくって
対の狛犬のように
ドアの前に置いておいた。