箱入り結婚のススメ
第1章
初めての合コン
今日も充実した一日だった。
相変わらず、走り回っている間に終わってしまったけど。
それでも子供達の無邪気な笑顔で、疲れも吹き飛んでしまう。
「舞(まい)」
「なに?」
「土曜日、合コン行くから」
「どうぞ」
「どうぞじゃなくて、舞も行くの!」
「私が?」
同じ幼稚園に勤務している親友の麻子(あさこ)が、園児と泥にまみれて真っ黒になったTシャツを着替えながら私を誘う。
「そう、舞が。
もうさー、いい加減に男に興味を持ちなさいよ。
幼稚園なんてほとんど女の先生しかいないんだから、外に目を向けてさ」
「小栗(おぐり)先生、いるじゃない」
「小栗先生にとってはハーレムだけど、選ばれる方はひとりでしょ? そうしたらあとは敗れるわけ。
ここ、独身女性は、えっと、一二三四……八人もいる!」
はじめて気がついたような驚きの声をあげる麻子に、私は笑ってしまった。
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