箱入り結婚のススメ

「父も母も、室賀さんに失礼なことを言うかもしれません」


父も母も、私に結婚させることだけが目的ではないのだ。
おそらく、自分たちの気に入った人と結婚させたいと願っている。
自分たちがそういう出会い方をして、それでも幸せだったから、なにも疑うことなどないのだ、きっと。


「大切なお嬢さんと付き合いたいと申し出るんだから、そんなこと、覚悟の上だ。
それに、少しくらい障害があった方が燃えるって言っただろう？」


室賀さんはお茶目に笑ってみせる。

両親の……特に父の頑固さを思うと、きっと簡単なことではない。
室賀さんだって、もしも私が相手でなければ、こんな苦労はかっただろう。


「恋人に甘えられ頼られることは、うれしいもの」

「あっ……」


それは確か、ウーマンライフにあった……。


「恋人になったんだし、大丈夫」

「はい」


私は素直に彼に甘えることにした。