箱入り結婚のススメ
「私……室賀さんにふさわしい彼女になれるでしょうか」
「もう十分。今のままの舞さんが、好きなんだ。
だけど、焦らないでゆっくりお互いを知って行こう。
今は、付き合うからには結婚というゴールを見ていると知ってもらえれば、それでいいから」
「ありがとうございます」
「あはは。こちらこそ」
今日一日で、一層室賀さんのことが好きになった。
「あれっ? 舞さん、泣いてる?」
「あっ、いえ……私、すごく幸せだなと思って」
今日の顔合わせは、正直言って気が滅入るようなことも言われはした。
だけど、父や母の胸のうちにも触れることができたし、室賀さんの気持ちもはっきりとわかって、私はどれだけ愛され、守られながら生きているのかもわかった。