箱入り結婚のススメ
「舞。今日はお風呂に入って休みなさい。
お父様には折を見て話してみるわ」
「はい」
今まで、母が父に反論するところを一度たりとも見たことがない私は、驚いていた。
だけど、私が知らないだけで……表向きは、母が父を立てているだけなのかもしれないと感じた。
ケンカになってしまったけど、怖いだけだった父と話し合いを持つことができるようになったことだけでも前進だ。
子供たちの自主性を育てるために、感情をぶつけ合って話し合うということを行う。
幼稚園児では、まだケンカになることもしばしばだけど、そうした積み重ねが大切なのだと園長先生も言っていた。
私はこの歳になってやっと、自分の意見を父に言えるようになったのだ。
恥ずかしいけれど、少しずつ前進するしかない。
自分の部屋に戻ると、室賀さんからのメールに気が付いた。