箱入り結婚のススメ

オトナな彼の嫉妬


次の日、室賀さんは朝一の飛行機でニューヨークに旅立った。

飛行機に乗る直前に"行ってきます"とメールをくれた。
こういうメールひとつで、室賀さんが本当に私の特別な人になったのだと、実感できて嬉しい。


朝、顔を合わせた父とは、挨拶をしただけで、他に一言も会話を交わさなかった。
だけど、昨日のようなモヤモヤした気持ちは吹っ切れていた。

室賀さんとこれからも付き合っていくのだと自分の気持ちを再確認したことと、自分の意見を言えたことで、満たされていたのだ。


ウキウキした気分で園に向かう。
今朝はさほど冷え込まなかったけど、もちろん室賀さんが買ってくれた手袋と一緒だ。

彼ももしかしたら出張に持っていってくれたかもしれないと思うと、胸が高鳴る。


園に着くとすぐに麻子が飛んできた。

「おはよ」

「おはよ。舞、なんだか顔色がいいじゃない? 今日、カフェ行こうか」


室賀さんが家に来たことを知っている麻子の、事情聴取だ。

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