箱入り結婚のススメ
第3章
彼の本音
リアンでやっぱりオーダーを秀明さんに決めてもらった私は、料理を待つ間になにを話したらいいのかドキドキしてしまった。
この人と、キスしたんだと思うと、今までのように話すことが恥ずかしいような気持ちになった。
だけど、秀明さんは、全く変わった様子もなく、私に話しかけてきた。
「ギプスはいつ取れそうなの?」
「次の診察の時に、先生に診ていただいてOKが出れば」
やっと不自由な生活から解放されそうだ。
「もうすぐだね」
「はい。ご心配をおかけしました」
「心配するのは当たり前だよ。彼氏、なんだから」
彼の言葉に照れてしまうのは、恋愛経験の少なさからなのかな。
「今日はお疲れ様。あんなにたくさんの子供をひとつにまとめるのは大変だね」
彼が頼んでくれたチーズインハンバーグにフォークを入れると、中からジュワッと肉汁が溢れてくる。