箱入り結婚のススメ
「それじゃあ、金曜の夕方、行きますね」
「楽しみにしてる」
そう言ってくれる彼に、私も笑顔になれた。
結婚が決まったことで、私はウキウキしていた。
秀明さんの両親も賛成してくれていると聞いているし。
麻子も結婚式の準備を始めたようで、園の帰りにカフェに寄って、ふたりでウーマンライフを読んで話し合うのが楽しかった。
「招待客選びっていうのが大変そうなのよね」
「そうなんだ」
「そうなんだって、他人事ね。舞の方が大変そうじゃない」
井出さんのほうの招待客が膨大になってしまいそうだと悩む麻子は、「バランス取れなくてもいいのか」なんてウーマンライフを覗き込んだ。
私は、麻子の話を聞いているのは楽しかったけど、いざ自分のことと言われるとまだピンとこない。
「舞は私のを見て、修正すればいいわよ」なんてクスクス笑う麻子に、やっぱりお世話になりそうだ。