箱入り結婚のススメ

「舞」

「はい」

「改めて……」


彼は私の左手をとると、薬指にあの指輪を差し入れた。


「これ……」

「メッセージ入ったって連絡があったから、取って来たんだ」

「……うれしい」


店で一度はめてもらったとはいえ、こうして自分のものとなった婚約指輪をつけてもらうと、感動でドキドキが止まらない。


「舞、必ず幸せにする。だから俺についてきてほしい」

「はい」


もう「はい」しか言えない。
彼が幸せにしてくれることは、きっと間違いないから。


私の頬に手を伸ばして触れた彼は、ゆっくり近づいてきて唇を覆う。

すぐに離れたと思ったら、今度は深いキス。


「ん……」

恥ずかしいけれど、幸せすぎて溜息が漏れてしまう。


「舞、抱きたい」


ゆっくり離れた彼は、私を真っ直ぐに見つめる。

心臓が破れてしまいそうなほどドクンドクンと打っているのが自分でもわかる。
だけど、私も彼と……ひとつになりたい。

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