箱入り結婚のススメ

私がコクンとうなずくと、彼はもう一度深いキスをする。


一度離れた彼は私を抱き上げると、私を抱いたまま器用にドアを開け、寝室に入った。

秀明さんのベッドはダブルだ。
寝るときくらいは大の字になりたいからなんて言っていたけど、これならふたりでも眠れる。


私をゆっくりベッドに下ろした彼は、私の顔を挟むように両手をついて、上からじっと私を見下ろす。


「好きだよ、舞」


濡れた唇がそう動いた瞬間、彼は再び私の唇を覆った。


彼の唇が私の首筋に移って、ほんの少しだけ触れる。

緊張でガチガチに固まった体が、それでも彼を受け入れたいと叫んでいる。
そして、ブラウスのボタンに手をかけた彼は、あっという間に外し……。

どうしよう。
緊張しすぎて、激しい鼓動が彼にまで聞こえてしまいそうだ。

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