箱入り結婚のススメ

心臓がドクドクとますます激しく打ち始める。
もう呼吸が乱れに乱れ、「はぁはぁ」と息を荒げているというのに、持つのだろうか。


「ん……っ」


私の中に彼が入ってきた。
ゆっくり、ゆっくり。私を優しくいたわるように。


「痛い?」


想像していたよりずっと痛い。
だけど……『彼のことが好きだから痛みさえもうれしかった』とウーマンライフに書いてあったのにうなずける。

痛みよりずっと、彼とこうしてひとつになれるうれしさの方が勝っているのだ。


それでもやっぱり顔が苦痛にゆがむ。
すると彼は、すぐに体を離そうとする。


「やめないで……」


私は秀明さんの腕をつかんだ。


「舞、でも……」

「あなたとひとつになりたいの」


こんな恥ずかしいセリフを自分が口にするなんて思ってもいなかった。
だけど、それが正直な今の気持ちだ。

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