箱入り結婚のススメ
最初はウーマンライフの通りにいかないと焦っていた私だけど、最近は参考にすればいいという気持ちに変わってきた。
それは、本当の恋愛が筋書き通りにはいかないことがよくわかったのもある。
それに……エッチだって、書いてあった通りにまったくいかなかったけど、彼はよかったと言ってくれたから。
結局その夜は、ドキドキしてよく眠れなかった。
次の日の朝、秀明さんは私を迎えに来て、父と母に丁寧に挨拶をしてくれる。
抱かれた後に、こうして彼に会うのが照れくさくて仕方なかったけど、いつもと変わらない彼の様子に少し安心した。
「舞さんをお借りします」
「あぁ」
相変わらず不貞腐れたような返事をする父だけど、もう前のように嫌な顔はしない。
「ひとり娘が嫁に行くのは、寂しいに決まってるじゃない」と麻子が言っていたけど、きっとその通りなのだと思う。