箱入り結婚のススメ
顔を見合わせて笑うご両親に、もう一度深く頭を下げた。
秀明さんはそのあと、昔使っていたという自分の部屋に私を連れて行ってくれた。
その二階の部屋からは、うっすらと海が見える。
「朝日が昇る時なんて、すごく綺麗なんだ。
海面がキラキラ光って、なんだか自分が滅茶苦茶ピュアになった気がして。海見ただけなんだけど」
昔を思い出しながらクスクス笑うリラックスした秀明さんの姿を見ながら、この人と結婚できるなんて幸せだなと改めて思う。
「秀明さん、あの……」
「ん?」
「婿養子のこと、本当にいいんでしょうか」
あまりにあっさり受け入れられすぎて、無理しているのではと思えてしまったのだ。
「うん」
秀明さんは窓の外を眺めながら口を開く。