箱入り結婚のススメ

「なに? なんか手伝う?」

「そうじゃなくて、室賀さんとどうだったのよ」


麻子はさっきまで疲れた顔をしていたのに、なんだか目がキラキラしてきた。


「どうって……駅まで送っていただいて」

「それだけ? 連絡先とか交換しなかったわけ?」

「あ、聞かれたんだけど、アドレスの出し方がわからなくて。麻子の時は、やってくれたでしょう?」


麻子は私の発言に"しまった"という顔をした。


「それに、ウーマンライフには簡単に交換したらダメだって……」

「そうね。でも……舞にはちょっとハードル高かったか」

「えっ?」

「時と場合によるわけよ。
今回は加奈を通じたお友達な訳。
だから遊びでどうのこうのって思っている人はいないと思うの。わりと安全パイなのよ」

そう言われると、そうだけど……。

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