箱入り結婚のススメ

オフショルダーのドレスは、私に合わせてサイズの微調整が行われている。
そして、スカート部分はふんわりとボリュームがあって、ところどころにパールが散りばめられている。

レースが繊細すぎて破いてしまわないか心配だったけれど、それも杞憂に終わった。


「新郎様がお越しです。お部屋に入っていただいてもよろしいですか?」

「はい」


メイクさんにベールを付けてもらうと、別のスタッフの人が声をかけてくれた。


「舞……」

「おはようございます」


こんな時に交わす挨拶ではなかったかもしれない。
だけど、照れくさい。


秀明さんにはずっとドレスを内緒にしてきたから、今日が初めてのお披露目だ。

彼はどう思っただろう。

ドキドキしながらうつむいていると、さらに一歩近づいてきた秀明さんは、座っている私の視線まで降りてきた。

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