箱入り結婚のススメ

「さて、帰ろう」


秀明さんはメイクさんをはじめ、スタッフの人達に丁寧にあいさつをすると、私の手を取って控室を出た。


ローズパレスを出るとき、たくさんのスタッフが私達のために花道を作ってくれて驚いた。

温かい拍手の中を進むと、一番先にいた安永さんが、大きな花束を私に差し出した。


「おふたりの幸せをローズパレススタッフ一同、お祈りしております」

「安永さん……ありがとうございます」


一目で気に入ったこの教会。
だけど気に入ったのは、教会だけじゃなかった。

素敵なスタッフに出会えた私達は、こうして最高の日を過ごすことができたのだ。


それから、スタッフはきちんと列を作って並び直し、タクシーに乗り込んだ私達に手を振る。


「ここにしてよかったな」

「はい」


最後まで感動の涙が流れた。

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