箱入り結婚のススメ

「だけど……お母さんは専業主婦だったんだろ? 
状況が違うんだから、真似しなくていいよ。
それに舞が働くことを一番応援してるのは、俺だよ?」


それは重々承知だ。

すぐに新婚旅行に行けなかったのも、私の次年度の準備が忙しかったからだ。
だから夏休みに行こうと計画している。


「舞、明日は夕飯作らなくていい。リアンに食べに行こう」

「えっ?」

「せっかく結婚したんだ。楽しくなくちゃ。
舞、最近険しい顔してるよ」


『楽しくなくちゃ』か。
確かに最初の頃は彼に料理を作るのだって楽しくて仕方なかった。
だけど今は、義務のようになっている。


「俺は舞を疲れさせるために結婚したんじゃないよ」


それもそうだ。

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