箱入り結婚のススメ
やっぱり母は偉大だった。
実家にいるときも、自分のことはできるだけ自分でと思っていたけど、全然できてなかったとわかった。
どれだけ助けられていたのか、思い知ったのだ。
「いいんですか? 私、いい嫁じゃないですよ」
「なに言ってんだ。すごくいい嫁だよ。
だって、俺の健康を気遣って食事を作ってくれてるだろ? 殿様気分」
秀明さんは私の額にキスをする。
「俺も舞をお姫様気分にしてあげたいな」
「お姫様?」
なんだかよくわからないけど、ちょっとおかしい。
「お風呂でお背中でも流しましょうか」
「えっ……秀明、さん?」
突然私を抱き上げた彼は、“お姫様抱っこ”のままリビングを出ていく。
「一緒に入ろ?」
「なに言ってるんですか! 絶対に無理です」
「どうして? もう隅々まで知ってるぞ?」