箱入り結婚のススメ

彼にそう言われて、耳まで真っ赤になる。
もう何度も抱き合ったけど、それとこれとは話が別よ!


「脱がせてあげようか。お姫様」


脱衣所で私のブラウスに手をかける秀明さんは、意地悪な言葉を吐く。


「無理です。無理ですよ!」

「どうして?」

「どうしてって……明るいところで見られるなんて……」


私が胸元を押さえて首を振ると、パチンと電気が消された。


「暗くなったよ」

「えっ、あっ……」


私が焦っていると、彼の唇が私の唇を覆う。


「舞……」


色気のある彼の声。
この声は大好きなんだけど……。


「速水家の掟を作ろう」

「掟?」

「そう。一つ目は、家事はすべて共同作業」

「ちょっと、秀明さん?」


私に語りかけながら、ブラウスのボタンを外していく彼に焦る。

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