箱入り結婚のススメ

「舞が、欲しい」


暗闇に目が慣れてくると、彼の顔が見えてくる。


「秀明さん……私、も。私も、あなたが、欲しい」


『愛情表現はストレートに』
掟、その四を早速守った。


彼は私の手を引いてバスルームに入ると、熱いシャワーを出す。

電気が消されたままのバスルームで、絡み合うようなキスを交わす。


「お姫様、洗って差し上げます」


彼はボディソープを泡立てて、私の肌に触れだした。


「ダメっ。恥ずかしい」


必死に抵抗してみたけれど、彼の手は止まらない。


「んっ……」

「掟に追加。声は我慢しない」

「そんな……あぁっ……」


彼の手に、唇に、翻弄されて、結局は追加の掟まで守った私。
バスルームで抱かれるなんて、初めてのことだった。

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