箱入り結婚のススメ
ぐったりした私を湯船で後ろから抱き寄せる秀明さんは、まだ荒い息をバスルームに響かせながら「はぁ、幸せ」なんて漏らす。
「今度は電気つけよう」
「ダメです!」
クスクス笑う彼は、私のお腹に回した手に力を込める。
「舞」
「はい」
「これから俺達の家庭を作っていけばいいんだよ。
理想とか他の家が……とか、そんなもの関係ない。
俺達が幸せならそれでいいだろ?」
私は振り向いて彼の顔を見つめる。
「……はい」
そして、彼の首に手を回して、ギュッと抱きついた。
幸せだ。
こんなに理解のある旦那様と、これからずっと一緒に暮らせる。