箱入り結婚のススメ
「出張から帰ってきたら、温泉にでも行こうか」
「ホントに?」
「うん。新婚旅行はしばらく先だし、舞も疲れてるからちょっと一息。
実はもう予約してあるんだ。
今日はその予行練習」
『予行練習』って?
秀明さんから離れて首をかしげると、彼は「プッ」と吹き出した。
「もう一回、練習しとく? 部屋に風呂がついてるんだよ」
えっ、えぇっ!
そういう、意味?
目を真ん丸に見開いた私の唇は、あっさり彼に食べられた。
そして、速水家、四つ目の掟。
「秀明さん、大好き」
【速水家の掟 END】