箱入り結婚のススメ
「貴也君、病院にひとりっていうわけにはいかないし、園長先生に相談したの。
そうしたら、園としては預かれないけど、個人的になら目をつぶりますって!」
実にうれしそうに語る舞は、本当に子供好きだ。
けど……。
間違いでなければ、俺たちは新婚だぞ?
「ごめんなさい。今日、一晩だけ」
申し訳なさそうに頭を下げる舞に「ダメ」とは言えない。
「わかった、よ」
すぐにこの返事をしたことを後悔するとも知らずに、舞の願いを聞き入れた。
くそー。
二週間ぶりに、思う存分舞と触れ合うつもりだったのに。
そんな俺の気持ちを知らず、舞ははじけるような笑顔だ。
「貴也君、ご飯食べよー」
おいおい、それは俺に言うセリフだろ?
だけど、チビ相手に怒っても仕方がない。