箱入り結婚のススメ

「今日はここで失礼するよ。
もし、舞さんさえよければ、今度きちんと挨拶におじゃましたい」

「えっ?」

「僕と本当に付き合っても良いというなら、舞さんの場合、その方が良さそうだ。
そうじゃないとデートにも誘えない」


室賀さんの言う通りだ。
少し出掛けるだけでも、必ずどこにいくのか聞かれたし、合コンだって麻子に嘘をついてもらった訳だし……。


「多少障害のある恋っていうのも、燃えるものだけど……」


クスクス笑う室賀さんは、私の顔を見つめる。


「ご両親に嫌われては、僕も太刀打ちできない。
とにかく、舞さんに"恋人です"と紹介してもらえるように頑張るよ」

「いえ、そんな……」


恋人って、どうなると恋人なんだろう。
彼の告白にうんと言ったら? それともキスをしたら?

私は『もっとお話ししたい』と言っただけだけど……。
< 70 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop