箱入り結婚のススメ

私たちの仕事は体力勝負だし、動き回らなくてはならないから、園ではTシャツかスウェットとひざ上までの短パンと決まっている。

バス通勤の私たちは、帰りに着替えるけど、彼女はほとんどジーンズ姿だ。
だから、とても新鮮だった。


「麻子、すごく似合ってるよ」

「でもねぇ、やっぱり育ちって出ちゃうのかも。多分同じワンピース着ても、舞みたいに上品には見えないもん。
それに……やっぱり髪がきれいなのもポイント高いわ」

「ありがと」


胸のあたりまであるストレートの髪は、一応お手入れを気を付けていて、いつも麻子が褒めてくれる。


「まぁ、今更仕方ない。とにかく行こう?」


麻子は私を促して歩き始めた。


「ねぇ、合コンって誰が来るの?」

「女の方は私の大学時代の友達ふたり。
さっぱりした性格の子達だし、舞もすぐに仲良くなれると思うわ。
男の方はそのうちのひとりの会社の同僚。
一流会社の人だから、舞の両親だってOKだと思うな」

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