箱入り結婚のススメ

「両親、か……」


確かに、父と母の意見というのはとても大事だ。
今まで、なんでもそうだった。


「舞の結婚はお父さんとお母さんがネックでしょ?」

「結婚って!」

「なに驚いてるの。もう私たちも二十四だよ。
そろそろ花婿候補をゲットしてもいい年頃よ」

「そうなの?」


彼氏がいたこともない私が、結婚なんて考えられない。

だけど、麻子の言うこともわかる気がする。

大学を卒業して就職したら、次の人生の一大イベントは、結婚、かも。
実際、お見合い写真を見せられたこともあるし。


「あれ、読んできた?」

「うん、一応」

「役に立つといいわね」


麻子が私に貸してくれたのは、月刊『ウーマンライフ』という雑誌だ。
彼女はこの雑誌をずっと愛読していて、半年分くらいを一気に貸してくれたのだ。

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