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「悪かったな、ありがと」
ごめんね、翔琉くん
あたしが悪かったからそんな顔しないで
「いや、俺も遅かったんだ」
「じゃあっ...まひるは...」
...ううん、間に合ってた
陸人くんは確かにあたしを助けてくれたよ
「いや、今回は間に合った」
"今回"......?
「昔もあったんだよ。こんなこと」
「ああ...聞いてたよ」
待って......?
確かにあたしは翔琉くんには言った
でも陸人くんには...
「なんとなくそんな気がした」
翔琉くんは切なそうに陸人くんを見た
......え、でも...
「あんときは必死だった。殴られ続けるあいつを見るだけで殺意まで湧いてきたからな」
「多分俺もそうなるな」
「だからこそ次の日、あいつを見たときは心底ホッとした」
"心臓止まるかと思った"
安堵の声が陸人くんの優しさだった
……涙が止まらない
「そのあとは大変だったけどな。
家に連れてって寝かせたのはいいけどアイツ、俺の手握ってきてさ」
「泣きながら言ったんだ
......なんと言われても自分は陸人くんが好きなんだっ...て」
「う、そ...」
滲む視界で二人が微笑みあってたのは覚えてるけど、どう教室に帰ったのかは覚えてない
何もわかっていなかった