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それなのにこの腕を振り払うのは惜しいと

離れていくのは切ないと思ってしまう



「なんでそんなに優しいかな」


違う、優しくなんかない


「勘違いしないでよ!」



私は弱いんだよ

「まひる、よく聞け」

肩をがっちり捕まえられたら成す術はない


「お前が選んだ道なら誰も傷つかねえんだよ

お前がしたいとおりにすればいい
だから、俺らに気使うなよ」




「なんで…?なんで二人ともあたしに構うの…?なんでいつも気づいちゃうの?」


嫌いっていった時も、あたしがなんでもないって言ってた時も

全部、全部お見通しだった


気づいて欲しかった


でも…………!



「そりゃあ、ずっと見てるからな」


「好きだったら見るよ、誰でも」


2人は、ほんとにあたしにはもったいない
……






「あ〜、俺じゃ無理だった!結構考えたんだけどなー」


「翔琉くん...」



「ほんとに好きな奴のところに行け、まひる」



「……っ…」



優しかった

最初から最後まで


「一緒に行った教会覚えてる?」

「...うん」



忘れられない

忘れられるわけが無い



あの日、あたしはちゃんと翔琉くんを好きになれたんだ
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