change


叫んでも叫んでも七瀬はいない

「七瀬はあたしを信じてくれたのに
あたしは、苦しんでる七瀬になにも……!」


「紗季ちゃん……あなたはここに来た

こうして七瀬に会ってくれてる
きっと七瀬も喜んでるわよ……」


……喜んでる?


あたしが来ることで?


「あたしを許してくれるの……?」

ふわっと暁子さんが抱きしめてくれた


「充分悲しんだわ。
七瀬を忘れないでいてくれてありがとう

紗季ちゃん、あなたは自慢の娘だわ」


「……暁子、さん……」


暁子さんの目は光っていた

あたしばっかりが辛いんじゃないんだ
七瀬……ありがとう

暁子さん、ありがとう



あたし、やっと進めるよ


< 235 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop