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「よし、悪かったな」


保健室の先生がいなくて陸人くんが処置を施してくれた


人気者でかっこよくてこんなに手際が良かったらモテるだろうなあ


なんか違う世界の人みたい


「あの…ありがとうございました…」


なんとなく申し訳ないような、恐れ多いような気持ちがしておずおずとした声になってしまった


「ふはっ!なんで敬語なわけ?」


──ドクン


今までわからなかったけど陸人くんって
こんなふうに笑うんだ...


「名前は?お前おもしれーな」


頬のえくぼ、垂れる目、屈託の無い笑顔
気持ちは一瞬にして奪われた


「……山口、まひる…」


「まひる、か。お前マジでおもしれーな」

別に、可愛いとか言われたわけではない
でも、その笑顔をむけられて一目惚れだったんだ


この日から私は陸人くんに恋してた
陸人くんしか見えなかった
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